特集:藤原ヒロシ × G-Class

20190307

 

——新型Gクラスが納車されてしばらく経ちました。今回のG63AMGでヒロシさんにとって8台目のゲレンデと記憶しています。

 

藤原ヒロシ(以下HF) いろいろと乗ってきましたね。たしか初めてゲレンデを買ったのが30歳くらいの時だったと思う。320から始まって、36、500、55、63、65とか。あとPUCHも。

 

L.A. Kenta(以下Kenta) 僕は55より前のヒロシさんのゲレンデは見たことがないですね。

 

HF 今思い返すと、G500になってから一気によくなった。その昔のモデルはブレーキが全然効かなくて、強くブレーキペダル踏んでもジワジワとようやく止まる感じだった。

 

Kenta いわゆる“旧内装モデル”の時代ってことですね。でも、ヒロシさんの車歴を振り返ってみると、他のクルマは入れ替わってもゲレンデは常に手元にある感じです。

 

HF 一時期レンジローバーに乗っていた時期もあったけれど。レンジスポーツは初めて乗った時すごく良いクルマでびっくりした。ボディが小さくて、踏めば速くて。でもそのあとにヴォーグに乗ったら少し大きすぎた。大きい車体に右ハンドルが苦手でした。

 

 

——確かにSUVはよくお乗りの印象です。

 

HF 基本的にボクは絶対にSUVが必要なので。雪山に行くためもあるし、あと遠出もよくするし。だから、ボクのクルマを友人に譲ることがあるんだけど、走行距離的には不利だなと思うことがあるな(笑)。内装の細かい部分もオーダーするし外装も好きなようにカスタムするから、センス的にはとてもこだわっているクルマなのだけれど、総じてどれも過走行っていう(笑)。

 

 

 “新型ゲレンデ”の印象

——新型G63AMGは乗っていますか?

 

HF 地元の伊勢に帰ったり、雪山も3回くらい行った。ひょっとしたらいま世に出ている新型の中では一番距離を伸ばしているかもしれない。

 

Kenta いきなり新車で雪山は行かないですよね、普通(笑)。融雪剤がついちゃうとか気にしちゃう。

 

HF 雪山にいくために買っているから。

 

Kenta しかもヒロシさん、フルノーマルの姿を見てないですよね。納車前にもうカスタムしていて、それから手元にくるという(笑)。

 

▲HF’s G63AMG(新型)

▲HF’s G65AMG(従来型)

 

——新型もすでにリヤのスペアタイヤをスムージング、グリルをペイント、バンパー&フェンダーのボトム周りはマットブラックで塗り分けられています。

 

Kenta スペアタイヤをスムージングするのは、「タイヤを背負っているとリヤゲートを開けるのが重くなるから嫌だ」と前に言ってましたよね。

 

HF でも結局は格好かな。それこそ、もう何台も乗っているから、ボクの理想のGのシェイプみたいなものがあって。個人的にはスペアタイヤはない方が好み。

 

——そんなヒロシさんがお持ちの理想像から比較して、新型のシェイプはいかがでしょうか?

 

HF やっぱり“外見”に関しては旧い方が好き。新型の微妙な台形の感じが好きじゃないですね。チョロQ感があるというか。先代のストンと切り落とした四角さが良かった。けれど、乗った感じはやっぱり良い。テクノロジーの部分とか、エンジンとか、乗り心地とか、燃費の良さとか、そういう部分で言うと“もう戻れない”とも思う。

 

 

Kenta 内装はどうですか?

 

HF ステアリングのボタン周りとか操作性はすごく良い。けれど、ナビがやけに反応が遅いのは気になるかな。あと、カーブとか曲がる時にステアリングの下にあるスポークが手に当たって邪魔とか。

 

——新型発表当時、横幅が100mm拡大されたことが話題になりましたね。ずっと旧型Gのサイズ感を絶賛していたヒロシさんですが、新型の肥大化は気になったのでしょうか?

 

HF 実際に運転していると全然気にならないですね。動きもとてもゲレンデらしい。フィット感があります。

 

——なるほど。その点メルセデスは本当にいい仕事をしましたね。以前からヒロシさんは「ロボットを操縦している感覚がゲレンデの魅力」とおっしゃっていました。

 

HF  “Lewis Leathers”感がありますよ。本当にタイトフィット。

 

Kenta とてもヒロシさんらしい表現で最高です(笑)。

 

HF それがゲレンデの良さ。ポルシェにも通じるあのタイトフィットな感じ。フェラーリにはなくて、ポルシェとゲレンデにはしっかりとソレがある。

 

 ストリート感覚で語るゲレンデ論

 

——さきほど燃費の話がでましたが、ヒロシさんがいう燃費の良さって「一発で伊勢に帰れるかどうか」ですよね(笑)?

 

HF そう。新型は給油なしでも余裕で伊勢に到着できる。旧型はダメだった。55は絶対に途中給油が必要で、63になってギリギリ到着できるかな、っていうくらい。

 

Kenta タンク容量が少し大きくなったのも関係はあるでしょうけど、旧型は確かにガソリンを喰いましたからね。

 

——あと、雪山やライブツアーなどでクルマを使い倒すヒロシさんにとってラゲッジスペースも重要ですよね。ラゲッジのサイズはいかがですか? 

 

HF 確かに新型になってラゲッジは狭くなった気がする。ギターを積むのはまったく問題ないけれども、スノーボードが入りにくくなった。

 

Kenta リヤシートが広くなりましたからね、新型。その分ラゲッジスペースが削られてるのかも。

 

 

HF 板を一枚だけなら斜めにすれば入るだろうけど、何人分とかになるともうシートを倒さないとダメ。旧型だと入ったのに。

 

Kenta 普通の人はゴルフバッグとかで語るところを、スノーボードで語っちゃうところがヒロシさんらしい(笑)。

 

——ヒロシさんあるある自動車論ですね。では、“表参道Uターン”についても聞いておかないと。(注:表参道の交差点を一発でUターンできるかどうかは原宿では最重要項目)

 

HF 問題なく一発でいけますよ。

 

 

 カスタムの可能性

——これまでお持ちだったゲレンデはカスタムされていましたが、これから新型もいじっていくのでしょうか?

 

HF なにかやるかもしれないけれど、でもいずれにせよ新型になってカスタムの幅も減ってしまったと思う。例えばグリルを変えようとしても、エンブレム内にレーダーとか埋まっていたりするし。

 

Kenta  グリルといえば、55時代にヒロシさんがやっていたベントレーグリルは衝撃的でしたよね。「えっ、軍用車にベントレーのメッシュ!?」って。あれは今でも真似をしてるユーザーがいますが、もともとはヒロシさんが考案されたんですか?

 

HF いや。当時クルマ屋さんに「メッシュにしたい」って相談していろいろとやってみた結果、「ベントレーのメッシュがちょうど良かったです」って提案してきてくれたのだと思う。

 

 

——ヒロシさんがお乗りだったあのG55AMGは、世界のストリートに衝撃をもたらしました。AMGで特注された4人乗り仕様、ベントレーグリル、BRABUSバンパー、そして白&黒ツートンカラー。

 

HF 確かにあれが一番良かった。自分の中でも最高傑作だと思っています。

 

Kenta あの4座仕様もヒロシさんアイデアだったんですか?

 

HF そうだね。AMG本社に行った時に担当者が「CLKのシートがちょうど入りそうだ」って教えてくれて。「それじゃ前後CLKのシートにしてみようよ」なんて話になって。あと、あの時代のBRABUSのGV12エアロも奇跡的にキレイだった。

 

 

 旧65か? 新63か?

 

——今も先代G65AMGをお持ちですよね。新型が納車されてから65の方には乗りましたか?

 

HF いや、乗ってないですね。手元に置いてないこともあって。ただ、65も特別なクルマだからずっと持っておいてもいいかなとも感じてるけれど。

 

 

Kenta ヒロシさんが65に乗っていると超似合うんですけど、個人的にはもう乗ることはないだろうなと思っちゃいます(笑)。

 

HF そうかな(笑)。確かに新型がとてもスムースだから、今もう一度旧い方に乗ったらがっかりしちゃうのかもしれない。

 

Kenta ボクは乗り心地で言ったら断然新型派。でもルックスは従来派。

 

HF 新型デザインの良い点をひとつ挙げるのならヘッドライト。変わらない丸いライトのカタチは大好きですね。縁取るように光るLEDデイライトもいい。ヘッドライトが丸じゃなくなったらもうゲレンデじゃなくなっちゃうと思う。ヘッドライトが正円のクルマって、現代ではもうほとんどなくなってしまったし。ずっと変わらないでいてほしいなと思いますね。

 

(Text: Nori Tohyama)

 

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G63AMG

 

G65AMG

特集:東京ロールスロイス。

20190612

 

一台一台がビスポーク。

 

すべてのディテールがカスタムメイド。

 

どのファントムも内装は豪華で色鮮やかで、どのゴーストだって個性にあふれた世界に唯一の仕上がりで。

 

ロールスロイス自体がそんな特別なクルマだからこそ、この“異質”な一台に目が奪われる。

 

 

東京を走るこのカリナン。

 

インテリアに選ばれたのは、ベーシックなブラックレザーと、ほんの些細なネイビーのアクセント。

 

ダッシュボードの裏地部分、ドアパネルのアームレスト、そしてシートベルト。

 

最低限の箇所にとどめた、最低限のコントラストに抑えた、黒と紺のツートンカラー。

 

 

まるで全身ブラックのライダースジャケット、その襟の裏側にだけこっそりと同系色レザーを張るかのような。

 

香るか、香らないか。

 

ほんの小さな個性。

 

 

エクステリアも同様。

 

グリル、モール、ホイールをブラックアウトし、黒と紺のツートンに。

 

 

世界最高峰ブランド。

 

世界に一台のビスポーク。

 

だからこそすべてを最小限に。そしてもっとストリートに。

 

そんな、東京ロールスロイス。

 

 

(Text & Photo:Nori Tohyama)

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